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  • 東京のすまい 1991

都心に小さな土地を購入し、そこに広告塔を建て、その頂上に住まうところからこのストーリーは始まる。彼は東京の街全体を住まいとした。公衆便所・公衆浴場・食堂など、都市の利便性を最大限享受した。数年後、彼のワンルームはガラクタで一杯になった。思い出の詰まったガラクタを部屋の傷や空気と一緒に残すことにした。そして、再び頂上に新居をつくった。彼は人生の転機を迎える毎にこれを繰り返した。積み重ねられた記憶を眺めるとき、彼は最期を予感する。そして、記憶と痕跡を封印したこの塔こそが自分の墓であると・・・。

  • 市街地に建つ公園施設としてのバス停 1995

廃材の集成材で組まれたボックスフレームを1ユニットとし、そこに、サイン・照明・ごみ箱などを組み込む。ユニット化することにより様々な規模のバス停に対応できる。また、リズミカルに並んだユニットは街の風景を切り取り、修景する効果を生み出す。バス停とはバスを待つための施設。バスを待つ、効率を考えれば必要のない時間。廃材とは、計画的植林〜伐採(使用)〜ゴミ、という効率的サイクルから抜け出し、二つの時間(生長した時間+使用された時間)を内包した歴史と未来を繋ぐ材料。バスを待つ、1日の束の間、ゆったりと時は流れる。

  • 都市の滝 1990 

都市は無限に成長を続けながらも完全な形には辿り着けない。成長と崩壊、建設と破壊、相矛盾する概念が表裏一体となって存在する。そして、テクノロジーの進歩はそれらを加速する。垂れ流される汚水・ゴミの滝。都市の滝を見る眼差しは、「崩壊=エクスタシー」なのか。