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  • 20世紀博物館 1993

原子炉をコンクリートで封印する。巨大な墳墓のように、永遠を求める堅固な、そして彫刻的な建築。原子炉という究極の機能主義的建築が封印され機能を失う。核という棄てられない力を秘めた20世紀を象徴する恐るべき建築。「棄てられないもの」の意味を考えるために、豊かに生活する人々の前に屹立する。

  • 小町の舎 1993


初の実施コンペ応募作。小野小町のイメージを木とガラスで表現した。木のやさしさ・やわらかさとガラスの硬さ・潔癖さ。大きな弧を描く壁によって拒絶されつつも大きく抱擁されるエントランス。白砂の向こうに庭を臨む談話スペースは、アール天井に包まれ、大きな空間の中で落ちつきと静寂をもたらす。建物全体を背骨のように通るガラスボックスからの光に満ちた展示スペース。庭に向かって大きく開けた研修室。小町の人生を表現した細長く変化に富んだ展示空間で、小町の歩んだ歴史を体感する。

  • 多様化時代のリゾートハウス 1990

リゾートといえば海や山など風光明媚な所を想像するが、ここでは敢えて都市、それも自宅の地下に設定した。リゾートとは日常氾濫する情報から離れ、心身共にリラックスする場所と考えれば何も遠くまで出かけて行く必要はない。自宅の地下にリラックスできるスペースを求めて掘り進むというストーリー。始めはコンピュータやテレビなど地上の少しの情報と必要最小限の設備を備えたスペースを確保する。しかし、彼は更に掘り進む。次に、思索のためのスペースを確保する。そして更に深くへ進む。彼はもはや、情報や喧騒から逃れるためではなく、掘るという運動(労働ではなくスポーツ)、深化に伴う精神の浄化、それ自体を楽しむ。彼は金曜の夜、怪しい冒険の旅に出る。そして、月曜の朝、都市に帰る。

  • 卒業設計 1989