現代社会における新たな人間関係(男と女・家族)に基づく住宅の提案。各々独立した円形住居はリビング・ダイニング・バスルーム・ベッドルームといった用途が円周上のスペースに割り当てられている。動線を単純化すると1日でレール上を1往復別々に転がる。二人の時間的・心的タイミングが合えば、側面に幾つか開けられた窓で二つの住居は繋がり、二人は出会う。その時、それぞれに取り付けられた梯子の片割れは完全な形となり、上部にある眺めの良い愛のスペースへと辿り着くことが可能になる。二つの円形住居の重なり具合はロマンチックな月の満ち欠けをイメージさせる。「月の明かりがイヴの顔を照らす。笑い声が聞こえる。月の声に耳を澄ませば・・・。」
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